血煙家庭教師 (我が人生最低の冬の記録より)
「大学入ったらチョーかわいい彼女見つけてメシ作ってもらって掃除してもらって洗濯してもらって…」
「それって母親の代わりが欲しいだけじゃねーか。」
「…でも結婚はまた別で…」
「殺されるぞお前。」
「でも先生は早く結婚した方がいいよ。」
「いつ結婚しようと勝手だろ。」
「生徒に手ェだすとか。」
「ださねーよ。」
「じゃあまた来週。」
「はいよ。」
北大宮の駅まで線路沿いに吹きっさらしの道を十分。午後10時。住宅街はもう寝支度で。ちっぽけなホームでしばらく震えたあと、蛍光灯が妙に白っぽいガラガラの電車で大宮。不思議なほど大きな駅はシルクロードのバザールみたいな雑踏。中央コンコースにサンタクロースのかっこうした巨大な犬の張り子。ここ二三週間、来るたびに電飾が増えて派手になってる。「おまいさんなんであんなのとくっついてんのさ」「だってさむいんだもん」…なるほど。高崎線は座席がローカル仕様で、夜、ぼけっと窓のそと見るのには最高。浦和。赤羽。上野。秋葉原。黄色い電車は忘年会でワハハなオヤジを満載。
本八幡。
コンビニ。
アパート。
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