屋外。銀行。夜。

ゴードン警部補が記者に取り囲まれ、質問の嵐をやり過ごしながらロビーに入ってゆく。

屋内。ロビー。銀行。夜。

鑑識課が現場を調べている。ラミレスがゴードンに写真を渡し、監視カメラを指差す。

ラミレス
自分の顔を見せたくてしょうがないみたいです。

ゴードンは引き伸ばされた粗いジョーカーの画像を見る。口のまわりを漆喰のように厚く塗った化粧が、汗で流れかかっている。

ゴードン
すぐ配布しろ。朝までには広場にサーカステントを立ててチケットを売れるぞ。化粧の下はどんな顔なんだ?

ゴードンはブータレの死体を撮っている鑑識の写真係に近づく。しゃがんで道化師のマスクを見つめる。物陰からバットマンが現れる。ゴードンはラミレスに目で合図する。

ラミレス
みんな、ちょっと外してくれる?

鑑識課とラミレスは出て行く。ゴードンはバットマンにジョーカーの拡大写真を渡す。

バットマン
またこいつか。他の連中は?

ゴードン
例によって雑魚ばっかりだ。

バットマンはベルトから何かの装置を取り出し、道化師の死体のまわりに散らばった札束に向ける。装置が音を鳴らす。バットマンは札束を取り上げ、ゴードンに渡す。

バットマン
前に印をつけて渡した札だ。

ゴードン
うちの囮捜査官が、ここ何週間かそれでドラッグを買ってる。この銀行もギャングの金の隠し場所になってるようだな。これで五つ目だ。汚い金のありかは、もう大体分かった。

バットマン
あとは踏み込むだけだな。

ゴードンは写真をヒラヒラさせる。

ゴードン
このジョーカーって奴はどうする?

バットマン
ギャングを丸ごと押さえる方が先だろう。そいつは後でいい。

ゴードン
全部の銀行を一斉に立ち入り捜査する。SWATに援護を頼もう。

ゴードンは札束を持ち上げる。

ゴードン(続けて)
新任の地区検事がこの話を聞いたら、首を突っ込んでくるな。

バットマン
信用できる奴か?

ゴードン
少なくとも仕事熱心だ。

ゴードンは札束を袋にしまう。

ゴードン(続けて)
あんたと同じぐらい頑固な奴らしい。

しかしバットマンはもう姿を消している。