屋内。撞球場。夜。

ギャンボルが得点する。ボディーガードが部屋に入ってくる。

ボディーガード
ボスに話があるって奴らが

ギャンボルは画面の奥を見る。荒くれ者が三人待っている。

ボディーガード(続けて)
ジョーカーを殺したって言ってます。賞金を受け取りにきたと。

ギャンボル
証拠は?

ボディーガード
死体を持ってきたそうです。

ボディーガードたちが、ゴミ袋に入った死体をドサリとテーブルに載せる。賞金稼ぎは部屋の隅で待っている。ギャンボルはゴミ袋の一部をつまみ上げて、ジョーカーの血まみれの顔を見る。ギャンボルはつばを吐きかける。賞金稼ぎどもに向き直る。

ギャンボル
よし。死体だから五十万

ギャンボルの背後で、ジョーカーがムクリと起き上がる!ボディーガードの胸にナイフを一本ずつ突きつける。ギャンボルは向き直って、唾にまみれた顔で狂った笑いを浮かべるジョーカーを見る。

ジョーカー
生きてたらいくらだっけ?

ジョーカーは折り畳みナイフをギャンボルの口に突っ込む。鋭い刃がほおを内側から突っ張らせる。賞金稼ぎたちは残ったボディーガードを制圧する。

ジョーカー(続けて)
私の傷がどうして付いたか、知りたいかね?父は飲んだくれの人でなしだった。私の目の前で、あいつはママを殴った。ある晩、親父はいつも以上に頭がおかしかったから、ママは包丁を取って身を守ろうとした。親父はそれが気に入らなかった。

ジョーカーはギャンボルの頬をナイフでさらに引っ張る。

ジョーカー(続けて)
それで、私の見ている前で、親父はママに包丁をふるった。ゲラゲラ笑いながら。私のほうを向いて、「なにマジになってんだよ?」と言った。それから包丁を持って近づいてきた。「なにマジになってんだよ?」私の口に包丁を突っ込んだ。「ほら、笑えよ」それから

ジョーカーは生き残ったボディーガードの、土気色の顔を見る。笑っている。

ジョーカー(続けて)
なにマジになってんだよ?

ジョーカーはグイッと肘を返す。ボディーガードたちはギャンボルが倒れるのを見て苦痛に顔をしかめる。ジョーカーは彼らのほうに向き直る。

ジョーカー(続けて)
さて、我々の組織は小さい、しかしこれからどんどん勢力を広げるかもしれない。諸君のなかに、チームに加わりたい者はいるかね?

三人のボディーガードは一斉に頷く。ジョーカーは玉撞のキューをビシッと折る。

ジョーカー(続けて)
空席は一つだけだ。だから、君たちを試させてもらう。

ジョーカーは折れたキューを三人の真ん中に落とす。

ジョーカー(続けて)
手早くすませてくれ。

男たちはお互いを凝視する。それからギザギザに折れたキューを。