屋外。連絡船乗り場。暮れ方。

市民たちが押し合いへし合いしながら連絡船に乗り込んでいく。限界に来た所で州軍の指揮官が部下たちに乗船を締め切って出発するように合図する。

二艘の連絡船が、遠い本土の明かりを目指して河に出て行く。

船内。ブリッジ。囚人船。夜。
一等航海士が窓からもう一艘の連絡船を見る。連絡船の動きが止まっている。航海士は操舵手(囚人船)に話しかける。

一等航海士
あっちのエンジンが故障したらしい。

操舵手(囚人船)
無線で「こっちのクズどもを片したら助けに行く」と連絡しろ。

突然操作盤の明かりがちらつき、電源が落ちる。

操舵手(囚人船)(続けて)
機関室に下りて見てこい。

船内。客室。囚人船。夜。

一等航海士が囚人や看守の集団を避けるようにして通り過ぎる。

船内。連絡通路。囚人船。夜。

一等航海士が機関室のドアを開け、そのまま凍り付く。

ディーゼル燃料のドラム缶が何百個も並んでいる。その上に、リボンの付いた小さなプレゼントが置かれている!

船内。ブリッジ。囚人船。夜。

一等航海士(囚人船)が例の小さなプレゼントを持っている。彼の無線機がガリッと音を立てて何かを受信する。

操舵手(客船)(画面外から)
こっちもだ。爆発したら船ごと天国へ行けるぐらいのディーゼル燃料。それにプレゼント。

屋外。高架道路。ゴッサムのダウンタウン。直後。

バットマンがマントをなびかせてバットポッドにまたがり、何かを聞いている。

バットマン
フォックスか?連絡船で何かあったらしい

船内。客室。客船。夜。

恐慌状態の家族連れが見守る中、州軍の指揮官がプレゼントの包みをあける。中には、原始的なリモコン起爆装置。

州軍指揮官
この船に仕掛けた爆弾の起爆装置を、どうして我々に渡すんだ?

天井のケーブルに取り付けられた携帯とスピーカーシステムが鳴り、疑問に答える。

ジョーカー(画面外から)
今夜、君たちには人間社会についての実験に参加していただく。

両方の連絡船で。一般人、囚人たち、乗組員、州軍兵士がジョーカーの声に聞き入っている。

屋内。ラボ。ウェイン・エンタープライズ。夜。

端末がシグナルを発し、ルシアス・フォックスが顔を上げる。

フォックス
見つけました。

ジョーカー(画面外から)
ディーゼル燃料と硝酸アンモニウムの魔術によって、君たちを空の旅に招待しよう。もし誰かが船から逃げ出そうとしたら、全員に死んでいただく。

フォックス
連絡船から声が聞こえますが、発信源はそこではなく

屋外。ゴッサムを見下ろす屋上。夜。

バットマンが全市を見渡している。

バットマン
ジョーカーの居場所が分かるか。

フォックス(画面外から)
西の方です

バットマンはバットポッドを始動させる!タイヤをきしませて発進すると同時にマントは自動的にたたまれ、バットポッドは轟音を上げて夜の中へと走り去る。

ジョーカー(画面外から)
だが、それだけではつまらないから趣向を用意した。
今夜は人間の本性というものについて考えてみよう。

屋内。ゴードンの家。直後。

バーバラ・ゴードンが電話に応える。

ラミレス(画面外から)
バーバラ、アンナ・ラミレスです。

バーバラ
あらこんばんは、アンナ。

ラミレス(画面外から)
よく聞いてください。時間がありません。
本部長からの伝言です。すぐに支度をして、
子供たちを車に乗せてください。

バーバラ
でも外に警備の人たちが

ラミレス(画面外から)
あの警官たちは信用できません。
今すぐ彼らから離れろとのことです。
私が彼らに電話して十分ほど他所に行かせますから、
その間に急いで

バーバラ
でもどこへ

ラミレス(画面外から)
これから住所を言います。
本部長がそこでお待ちです。

屋外。重大犯罪課。直後。

ラミレスが電話を使っている。

ラミレス
52番街250番地。パトカーがいなくなり次第、
そこに向かってください。

デントがラミレスの頭に銃を突きつけている。ラミレスは電話を切る。

デント
信じたか?

ラミレスは頷く。

デント(続けて)
お前を信じているんだな。レイチェルみたいに。

ラミレス
私は

デント
「彼らが何をするつもりか知らなかった」って?それを言った警官は、お前で二人目だ。じゃあ、正直な所、何をすると思ってたんだ?

ラミレス
ごめんなさい。私はずっと前から奴らの言いなりだったの。
母の医療費と、私の

デント
言うな!

デントはコインをはじく!

ラミレス
大した金はもらわなかったけど、一度取り込まれたら、
もう抜けられなかった。ごめんなさい。

デントはコインを見る。きれいな側だ。

デント
今日は見逃してやる。いつか真人間になれ。

デントは銃で彼女の頭を強打!

船内。ブリッジ。囚人船。夜。

操舵手(囚人船)が無線を試してみる。壊れている。

操舵手(囚人船)
無線を壊しやがった。

ジョーカー(画面外から)
みんなが死ぬことはないんだよ。
それは命の無駄遣いって奴だ。
だからどっちの船にもプレゼントを残しておいた。

屋外。ペントハウス。プレウィット・ビル。夜。

ジョーカーは船着き場の方を見る。二艘の連絡船をじっと見る。
携帯電話を使って話している。ボタンが二つついた起爆装置を持って。

ジョーカー
どっちの皆さんも、相手の船を爆発させるためのリモコンを持っている。

船内。船室。囚人船。夜。

囚人と看守たちが聴いている。慄然とする。

ジョーカー(画面外から)
真夜中になったら、二艘とも私が爆発させる。
だが、もし君たちのどちらかが先にボタンを押せば、
押した方の船の安全は約束しよう。
君たちが選ぶんだ。
さて、生き残るのはどっちかな?
ハーヴィー・デントが選んだ
最悪の犯罪者ご一行か、
それとも善良な市民の皆さんか?
(一拍おいて)
そうそう、決めるんなら早くした方がいいよ。
あっちの船の皆さんは
そんなにいい人じゃないかもしれないからねえ。

ジョーカーは電話を切る。操舵手(囚人船)は自分の手の中のリモコンを見つめる。囚人たちは大声を上げて押し合い始める。看守は操舵手からリモコンを取って、ショットガンの安全装置を外す。部下たちが囚人の群れに向かって銃を構える。

屋外。連絡船乗り場。直後。

ゴードンがフェリーの方を見ている。電話が鳴る。

バットマン(画面外から)
ジョーカーの居場所が分かった。

屋外。ゴッサムの街路。直後。

バットマンがバットポッドで爆走している。

バットマン
プレウィット・ビルだ。向かいのビルに部下を集めろ。

船内。船室。客船。夜。

州軍指揮官がリモコンを持っている。
何人かの市民が彼に詰め寄る。
指揮官は銃を抜く。

州軍指揮官
離れていろ。

ブリーフケースを持ったビジネスマンが口を開く。

ビジネスマン
なんであんたが一人で決めるんだ?
少なくとも話し合うべきだろう。

他の乗客たちが同意を示す。子供を二人連れた母親が発言する。

母親
全員が死ぬことはないわ。
どうしてこの子たちが死ななきゃならないの?
あっちの船の皆さんは、みんないい大人で、
自分たちの生き方を選んだ結果でしょう?

州軍指揮官
これは話し合うような問題じゃない。

乗客1
あっちの船だって似たような話をしてるさ。

乗客2
連中に話し合うような理性があればね。
投票で決めよう。

船内。船室。囚人船。夜。

囚人たちの騒ぎが激しくなり、看守の一人が空に向けてショットガンを放つ。囚人たちは引き下がる。少しだけ。

船内。船室。客船。夜。

兵士の一人が帽子を回す。人々は紙切れを投げ込んでいく。電話で家族に別れを告げる人々もいる。

操舵手(客船)河に浮かんでいるもう一艘のフェリーを見る。そして時計を見上げる。真夜中まで、あと十分。そして、まだ白紙の、自分の投票用紙を見る。

屋外。プレウィット・ビルを見下ろす屋上。夜。

ゴードンとSWATのチームリーダーたちが、手すりに狙撃手を配置していく。

屋内。車庫。プレウィット・ビル。直後。

無人のスクールバスのそばに、SWAT隊員が立っている。

SWAT隊員(無線機に)
行方不明のバスを発見しました。

屋外。プレウィット・ビルを見下ろす屋上。直後。

ゴードンがSWATのリーダーを見る。

ゴードン
人質を取られたか。

彼らは通りの向こうのプレウィット・ビルの大窓を見る。手作りの雑な道化師のマスクをかぶり、自動拳銃を持ったジョーカーの手下どもがはっきりと見える。

SWAT狙撃手
人質を発見!

ゴードンたちは狙撃手のスコープをのぞく。部屋の奥の方に、患者や医者や看護婦たちがしゃがんで、肩を寄せ合っている。

ゴードン
まるで射的場だな。何でまたあんな大きな窓のそばに?

バットマン(画面外から)
奴は見たいんだ。

バットマンは二艘の連絡船を指差す。

SWATリーダー
丸見えの道化師が五人います。狙撃手が奴らを倒して窓を割ります。一チームが懸垂下降で窓から突入、もう一チームが階段から侵入します。人質の死者は多くとも二三人で済むでしょう。

ゴードン
(ほとんど躊躇せずに)
それで行こう。

バットマン
早まるな。相手はジョーカーだぞ。何があるか分からん。

ゴードン
だが分かっていることが一つある。我々が一秒遅れれば、それだけフェリーの上の人々は追いつめられて、相手を吹っ飛ばすかもしれん。

バットマン
それはない。

ゴードン
じゃあジョーカーが二艘とも吹き飛ばすさ!
時間がないんだ。すぐに突入しなければ

バットマン
奴はいつだって何か仕掛けている。

ゴードン
だから待てないんだ。奴の作戦に乗るわけには

バットマンはゴードンの方を向く。

バットマン
五分くれ。その間は手を出すな。

ゴードン
だめだ。時間はない。
一撃で五人倒せるんだ。

ゴードンは銃を抜く。バットマンは彼に背を向ける。SWATが見守っている。

ゴードン(続けて)
デントも中にいるんだ。我々は彼を助けねばならない。いや、私は彼を助けねばならない。
SWATの隊長に)
用意しろ。

バットマンはビルから跳び、マントを広げ、二つのビルの間の空間を滑空する。ゴードンは銃をしまう。小声で悪態をつく。スワットの隊長に、

ゴードン(続けて)
二分だ。二分経ったら突入してくれ。

屋外。プレウィット・ビル。直後。

バットマンは滑空を終えて、二階ほど下のガラスに取り付く。

バットマン
フォックス、映像を回してくれ。

屋内。ラボ。研究開発部門。直後。

フォックスがいくつかのキーを叩く。

フォックス
アルファチャンネルに主観映像、ベータに全体図を送ります。

屋外。プレウィット・ビル。直後。

バットマンのマスクの目の部分に、スモークガラスのヘッドアップディスプレイが下りてくる。
バットマンのソナーによる主観映像:ビルの構成面が次々と消えていき、定期的に透明度を変えながら三次元構造を表示する。バットマンは建物の中の人間たちを透視することができる。

屋内。ペントハウス。プレウィット・ビル。夜。

ジョーカーが窓辺に立って、事の成り行きを見守っている。チェチェンの犬たちが吠え始める。ジョーカーはニヤリと笑う。

屋外。ペントハウス。プレウィット・ビル。続き。

バットマンは装備を仕込んだベルトに手を伸ばし、液体プラスチックのスプレーをガラスに吹き付ける。プラスチックが固まるのを待って、パンチ!ガラスは壊れるが、プラスチックが破片が飛び散るのを防いでいるため音がしない。バットマンは穴から滑り込む。

屋内。ペントハウス。プレウィット・ビル。直後。

バットマンの目が白く微光を放つと、ソナーが曲がり角の向こうを映し出す。銃を持った道化師が待ち伏せている!

屋外。屋上。プレウィット・ビル。直後。

六人のSWAT隊員が、屋上から降下する準備をしている。

屋内。階段。プレウィット・ビル。続き。

SWATチームが階段を上がる。

屋外。プレウィット・ビルを見下ろす屋上。直後。

ゴードンの電話が鳴る。

ゴードン
もしもし、バーバラか?おちつきなさい

デント(画面外から)
やあ、ジム。

ゴードン
ハーヴィー?一体どうなってるんだ?

デント(画面外から)
私の味わった苦しみを、知ってもらおうと思ってね

ゴードンは通りの向こうの、プレウィット・ビルのペントハウスを見る。

ゴードン
どこにいるんだ?私の家族はどこだ?

デント(画面外から)
私の家族が死んだ場所さ。

プツン。電話が切れる。ゴードンはSWATの隊長を見る。青ざめている。

SWAT隊長(無線機に)
レッドチーム、行け!

ゴードンは屋上から中に入るドアに向かう。

屋内。ペントハウス。プレウィット・ビル。続き。

バットマンが武装した道化師に襲いかかり、音もなく彼を気絶させて床に落とす。武装を取り上げようとして、道化師の銃が手にテープでくくりつけられているのに気づく!バットマンは道化師のマスクをむしり取る。

恐怖に見開かれた目!口はテープで塞がれている。なんとエンゲルだ。

バッ トマンは顔を上げる。窓辺に並んでいる手下は、あと四人。全員が手に銃をテープでくくり着けられている。ソナーに切り替えて人質のいるあたりを透視する と、患者や医者は銃を持っていた。そちらが本当のジョーカーの手下だったのだ。今しも上からは懸垂降下組が下りてくる。階段では二つのチームが準備を進め ている。

バットマン
絶対に、動くな。

エンゲルは怯えた顔で頷く。

屋外。プレウィット・ビルを見下ろす屋上。続き。

SWATの狙撃手たちが、それぞれ道化師を照準に収める。

屋内。階段。プレウィット・ビル。直後。

SWATチームがペントハウスの非常階段に到達する。壁に爆弾を貼付けていく

省略

屋外。プレウィット・ビルを見下ろす屋上。直後。

SWATの隊長が、腕時計を見る。

SWAT隊長(無線機に)
突入!

SWATの狙撃手がまさに撃とうとしたとき、道化師が消え失せる。狙撃手は困惑した表情でスコープから顔を上げる。

屋内。ペントハウス。プレウィット・ビル。直後。

バットマンが例の牽引銃を使って道化師を引きずっている。そばにいた二人も、巻き込まれて倒れる。バットマンが手近な二人に飛びかかったとき、狙撃手の銃弾がガラスを粉砕する。

屋外。プレウィット・ビル。直後。

SWATがビルの外壁を懸垂下降してくる。弾みを付けて、割れた窓から侵入する。

屋内。ペントハウス。プレウィット・ビル。直後。

ガラスがはじけ飛び、「人質」たちが身じろぎする。SWATが道化師たちに銃を向けて窓から飛び込み、音響手榴弾を投げる。バットマンは拳とバットランでSWATを倒していく。

後に残った隊員が、バットマンに銃を向ける。隊員の背後で、医者に扮した手下がショットガンを構える。さらにその背後の壁を透視したバットマンは、階段か らあがってきたSWATが壁を爆破しようとしているのを見る。バットマンはSWATの頭上を飛び越え、医者の胸板にドロップキックを決める。

屋内。階段。プレウィット・ビル。直後。

SWATが壁を爆破する。チームリーダーが爆破であいた穴に近付く。不意にバット牽引ワイヤーが飛んできて、彼の防弾チョッキを掴む。チームリーダーは悲鳴とともに引きずり込まれる。残った隊員たちは顔を見合わせるが、やがて覚悟を決めて穴から入っていく。

屋内。ペントハウス。プレウィット・ビル。直後。

み込んだ隊員たちは、エンゲルを発見する。彼は気絶した「人質」が積み上げられた横で震えている。先に引きずり込まれたチームリーダーは、懸垂降下用の ロープを腹に巻かれて気絶している。バットマンは階段チームと闘う。キックやパンチをかわしては、ロープについたカラビナを隊員の防弾チョッキに引っ掛け て行く。

不意にバットマンは後退し、気絶したチームリーダーをつかみあげる。SWATはバットマンに銃を向ける。バットマンはチームリーダーを窓から放り出す。ロープの仕掛けが功を奏して、隊員たちは順番に窓から引きずり出される。

屋外。プレウィット・ビルを見下ろす屋上。直後。

狙撃手がのぞくスコープの中で、六人のSWAT隊員が窓から放り出され、落ちる。ロープがピンと張って、まるで遭難した登山隊のように彼らはぶら下がる。バットマンは壊れた窓にしゃがんで、ロープをくくりつける。

狙撃手
なにをやってんだ?

バットマンは、まっすぐ狙撃手を見る。牽引銃を構え、発射!バット掴みが狙撃手のスコープを壊して食い込む。ライフルはワイヤーで引っ攫われる。

屋内。プレウィット・ビル。続き。

バットマンはまだぼんやりしているエンゲルのそばを駆け抜ける。

エンゲル
(情けない顔で)
ありがとう。

バットマンはメインオフィスに走り込む。ジョーカーがそこにいる。

ジョーカー
来てくれたね。うれしいよ。

バットマン
起爆装置はどこだ?

犬たちがバットマンに飛びかかる。床に叩き付けられるバットマン!

船内。客室。連絡船。夜。

操舵手(客船)が票を数え終わる。結果を読み上げる。

操舵手(客船)
196票が反対。
(下を向いて)
そして340票が賛成。

乗客たちはお互いに目を合わせないようにする。

船内。客室。囚人船。夜。

看守たちが銃を構えたままファランクスのように密集して、隅に追いつめられている。数百人の獰猛な囚人たちが彼らに迫る。

囚人1
お前ら、本気で殉職しようってのか!?

所長と看守たちは顔を見合わせる。そして壁の時計を見る。

屋内。ペントハウス。プレウィット・ビル。夜。

バットマンがロットワイラーと格闘している。バットマンと黒い毛皮と剥き出しの牙が、凄まじい勢いで絡み合ってよく見えない。

ジョーカーはシュパッとナイフを飛び出させ、その混沌に近付く。バットマンは最後の犬を蹴りはがす。ジョーカーがバットマンの肋にナイフを突き刺す!

ジョーカー
やっぱりここがいいかね?

バットマンは苦痛に後ずさる。ジョーカーはバットマンに頭突きを、膝蹴りを浴びせる。細い身体にエネルギーが爆発する。傷ついたバットマンを、窓ガラスに向かって蹴り飛ばす。

船内。客室。客船。夜。

操舵手(客船)が、自分の手の中のリモコンを見つめる。

操舵手(客船)
私も賛成に投票しました。皆さんの大多数と同じように。我々が全員死ぬべきだとは思いません。

誰かが後ろの方から声を上げる。

乗客3
じゃあ、やれよ!

操舵手(客船)
私がやるとは言ってないでしょう。我々はまだ生きています。すなわち、囚人たちもまだボタンを押してないということだ。

操舵手はリモコンを、客席前方のベンチの上に置く。乗客や兵士は、リモコンをじっと見つめる

船内。客室。囚人船。夜。

刺青をした巨大な囚人が歩み出てくる。脂汗を流してリモコンを見つめている所長に向かって歩く。

刺青の囚人
死にたくはない。でも殺し方も知らない、か。俺によこせ。

所長はリモコンを見つめる。そして掛時計を。

刺青の囚人(続けて)
どうせ奴らはお前を殺してリモコンを取るだろう。俺に渡せ。世間には無理矢理取られたと言えばいい。よこせ。お前が十分前にすべきだったことをしてやる。

船内。客室。客船。夜。

全員がリモコンを凝視している。あと一分。先刻のビジネスマンが立ち上がる。歩いてきて、リモコンを取る。

ビジネスマン
誰も手を汚したくないようだな。けっこう。私がやる。あっちの船の連中は、自分の生き方を既に選んだんだ。奴らは自分の意志で人を殺したり、物を盗んだりした。我々まで一緒に死ぬことは無いだろう。

彼はほかの乗客を見る。誰も目を合わせようとしない。

船内。客室。囚人船。夜。

所長はゆっくりとリモコンを渡す。囚人は渡されたリモコンを見る。そして所長の目を見る

そしてリモコンを窓から投げ捨てる!

所長も囚人たちも看守たちも唖然としている。

屋外。ペントハウス。プレウィット・ビル。夜。

バッ トマンが、窓を破って蹴り飛ばされる。舞い散るガラス片。ジョーカーは鋼の窓枠を押さえていた木の棒を蹴って外す。バットマンはとっさに腕を上げて、落ち てくる窓枠で首を挟まれるのを防ぐ。機械仕掛けの篭手に救われる。ジョーカーは窓枠に足を載せる。バットマンが苦痛の唸りを上げる。

ジョーカー
一休みしないと、花火が見られないからねえ。

バットマン
花火など無い。

バットマンは窓枠から首を守ろうともがく。

屋内。客室。客船。夜。

ビジネスマンはリモコンを見つめるが、遂にそれをベンチに戻して腰を下ろす。死が訪れるのを待つ。

時計が十二時を打つ。

屋外。ペントハウス。プレウィット・ビル。夜。

バットマンが時計を示す。十二時だ。

バットマン
お前は何を証明したかったんだ?
我々も腹の底ではお前と同じように醜いということか?

ジョーカーは時計を見る

船内。両方の船。直後。

乗客たちは抱き合って死を待つが、何もおこらない。時計を見る。困惑

屋内。プレウィット・ビル。直後。

ジョーカーの顔から笑みが消える。

バットマン
醜いのはお前だけだ。

ジョーカーは勢いよくしゃがみ込み、窓枠を支えるバットマンの顔と腕の前に顔を突き出す。自分のリモコンを見せる。

ジョーカー
まったく、今どきの人間はあてにならない。

ジョーカーはリモコンの安全装置を外す。

ジョーカー(続けて)
何でも自分でやるしかないね。
いつだってそうしてきた。
簡単には行かないこともあった

ジョーカー
(回想の笑顔になって)
この傷がどうしてできたか知ってるかい?

バットマンはジョーカーを見上げる。

バットマン。
知らん。だが、これから付く傷のことは分かるぞ。

バットマンの篭手から手裏剣状の武器が発射され、ジョーカーの胸と腕にドドドと突き立つ!ジョーカーはよろめき後退する。自由になったバットマンは前方に跳び、ジョーカーを屋上の端から蹴り飛ばし、リモコンを掴む。

ジョーカーはケラケラと笑いながら楽しそうに落ちてゆく。ビシッ!ジョーカーの脚に何かが当たり、ジョーカーはガクンと停止する。バットマンの牽引銃だ。バットマンに引き上げられて、ジョーカーは苦痛の声を上げる。

ジョーカー
私がいなくなったら寂しいのかい?
決して動かない物体に、決して停まらない力がぶつかったら、
こうなるってことか。
きみは本当に頑固だねえ。

バットマンはジョーカーを逆さまにくくりつける。ジョーカーはギャハハと笑っている。

ジョーカー(続けて)
君は妙な正義感のせいで私を殺せない。そして私が君を殺さないのは、君とやり合うのがあまりにも楽しいからだ。永遠にこうしていたいねえ。

バットマン
お前は永遠に入院するんだよ。

ジョーカー
じゃあ君と相部屋がいいな。最近この街にはキチガイがどんどん増えるから、きっと部屋が足りなくなってるはずだ。

バットマン
この街の人々が善を信じられることは、いま見た通りだろう。

ジョーカーはバットマンを見上げる。目に光がともっている。

ジョーカー
それは彼らの魂が完全に壊れるまでの話だ。彼らのヒーローが私の力でどうなったか知れば、話は違ってくる。ハーヴィー・デントの正体をじっくり見て、彼の英雄的行為の数々と見比べれば。
(連絡船を指差し)
そうすれば彼の捕まえた犯罪者は、すぐ娑婆に戻る。ゴッサムはヒーローなんてものが所詮まやかしである事を知る。

ジョーカー
(目をそらして)
私の狙いはゴッサムの魂そのものだ。君と殴り合いなんかして遊んだのは、もうどう転んでも勝てると分かったからさ。君には切り札があるかね?私の切り札はデントだ。

バットマンはジョーカーをつかみあげ、至近距離でにらみ合う。

バッマン
何をやったんだ?

ジョーカー
私はゴッサムの白騎士を手に入れた。そして私の立っている所まで引きずりおろしたんだ。難しくはなかったよ狂気は重力みたいなもんだ。ちょいと押してやれば、人は誰でも落ちて行く。

ジョーカーは高らかに笑う。バットマンは彼をSWATに任せて去る。

バットマン
ルシアス。ハーヴィー・デントを探してくれ。

屋外。焼け落ちた倉庫。52番街。夜。

ゴードンが車から降りる。銃を抜いている。黒く燃え尽きた建物に入っていく

屋内。焼け落ちた倉庫。52番街。夜。

ゴードンが闇を覗き込む。

ゴードン
デント?

返事はない。ゴードンはさらに奥へ進む。階段を上がる。

屋内。二階。焼け落ちた倉庫。夜。

ゴードンはバーバラと子供たちが抱き合っているのを見つける。彼らに向かって進む。バーバラが首を振っている。

ガーン!デントがゴードンの頭を銃で殴り倒す。倒れたゴードンの武器を奪って、仰向けに転がす。デントは半ば後ろを振り返り、床に開いた巨大な穴を見る。こちらから見ると、月光を浴びたデントは完全に正常に見える。

デント
彼女はここにつれてこられたんだ、ゴードン。お前の部下が彼女を売り渡した後で。彼女はここで縛られた。ここで苦しんだ。ここで死んだ。

ゴードン
知っているさ。私も来たんだ。彼女を助けるために。

デントはこちらを向き、黒焦げになった側を見せる。

デント
でも助けなかったじゃないか。

ゴードン
できなかったんだよ。

デント
できたさ。

デント
もし私の話に耳を貸していればもし悪魔と取引する代わりに、腐敗に対して立ち上がっていれば。

ゴードン
ギャングと闘うために必要だったんだ

デントはゴードンに迫る!

デント
そのせいで私が何を失ったか、本当に分かっていれば
そんな言い訳はできないだろう。
お前は最も愛する者と話したことがあるか、
言葉の途中で相手が死んでしまうかもしれないときに?
お前は愛する者に大丈夫だと言ったことがあるか、
もう駄目なのが分かっているときに?
これからお前にそれを味わわせてやる。
私の目を見て謝ることができるのは、その後だけだ。

デントは向き直り、バーバラのそばに行って、彼女のこめかみに銃を突きつける。

ゴードン
ハーヴィー。銃を下ろすんだ。だからといって君は私の家族に危害を加えるようなことはしないだろう。

デント
心配ない。お前が最も大切に思う人間を狙うだけだ。
(撃鉄を起こす)
それはお前の妻か?

ゴードン
銃を下ろせ。

デントは銃口をゴードンの幼い娘に向ける。

ゴードン(続けて)
頼む、ハーヴィー

デントはジェームズ・ゴードン(ゴードンの息子)に近付く。子供の眼にかかった前髪を銃口で払う。ゴードンはキレる。

ゴードン(続けて)
この外道、私の家族に銃を向けるな!

デント
決まりだな。

デントは少年を母親から引きはがす。

バーバラ
やめて!ジム、彼を止めて!やめさせて!

デントはゴードンの脇を通って、ジェームズを焼け焦げた床の端まで連れて行く。床がなくなっている部分の、剥き出しの木材を触る。

ゴードン
済まなかった、ハーヴィー。いままでのこと全部について謝る。
だから、頼む。息子だけは勘弁してくれ。

サイレンの音。

屋外。焼け落ちた倉庫。52番街。直後。

何台ものパトカーが倉庫に向かって坂を下りていく。

屋内。二階。焼け落ちた倉庫。直後。

デントはゴードンを見る。激怒している。

デント
警官をつれてきたのか?

ゴードン
彼らはここで何か事件が起きていることしか知らない。
我々が誰で、何をしているかは知らない。
周辺を固めるだけだ。

デント
私が逃げるとでも思っているのか?
こうなったら、もう逃げ場なんてないんだよ

デントは自分の顔を指差す。自分の苦しみを。

ゴードン
誰も逃げる必要はない。誰も間違ったことはしてないのだから。
これからする必要もない。

デントは小さく笑う。奇怪な光景である。

デント
間違ったことならもう随分やったよ、ゴードン。
まだやりたりないだけだ。まだな。

デントはさらに強く銃を少年の首に押し付ける。少年はすすり泣く。

バットマン(画面外から)
お前だってその子を傷つけたくはないだろう、デント。

デントは振り返る。バットマンが陰から歩み出る。

デント
私が何をしたいかは問題ではない。
大切なのは、公平に苦しみを与えることさ。
(ゴードンとバットマンに)
たとえ世の中が腐っていても、人は正しく生きることができるとお前は思った。
模範を示して人々を導くことができると。
たとえルールを曲げても、壊さずに世の中を変えることができると。
お前は間違っていた。
世界は残酷だ。
(コインを示す)
残酷な世界にただ一つ良心があるとすれば、それは確率の法則だけだ。
偏見もなく。先入観もなく。公平だ。

バットマン
銃口から正義は決して出てこないぞ、デント。

デント
(コインを見せ)
ゴードンの息子に与えられるチャンスは、レイチェルと同じだ。50パーセント。

バットマンは必死にデントに近付いて、手を伸ばそうとする。

バットマン
レイチェルに起きたことは、偶然ではない。我々が行動を決めた。我々三人が。我々はリスクを知りつつ、一丸になって行動した。その結果に責任があるとすれば、三人とも同じだ。

デントはバットマンを見る。哀願するような表情。

デント
じゃあ、なぜ私だけが全てを失ったんだ?

バットマンはデントの眼を見つめる。隠しきれない感情。

バットマン
君だけではない。

デント
(怒り狂い)
ジョーカーは私だけを選んだんだ!

バットマン
なぜなら君は、三人の中で最も高潔だったからだ。
奴は君のように正しい者でも
堕落することを証明したかったんだ。

デント
(悔恨を込めて)
そして奴は正しかった。

バットマン
だがもし偶然に全てを決めさせていると思うなら、
君は自分に嘘をついている。
銃を突きつけているのは君自身だ、ハーヴィー。
だから銃は、本当に責任のある者たちに向けろ。
我々は一丸となって行動した。
ゴードン。私。そして君だ。

デントは耳を傾けている。狂った心の中の歯車が、それなりに正しく動いている。

デント
よかろう。

デントは少年を掴んでいた手を緩める。

デント(続けて)
まずお前だ。

デントは銃をバットマンに向ける。コインをはじく!裏だ!デントは撃つ!バットマンは崩れ落ちる。腹を押さえている。

デント(続けて)
今度は私だ。

デントは自分の頭に銃を当てる。コインをはじく。表だ!やや失望した表情。

最後に、デントは再びゴードンの息子に銃を向ける。

デント(続けて)
お前の番だ、ゴードン。

ゴードン
君は正しい、ハーヴィー。 レイチェルが死んだのは私のせいだ。だから撃つなら私を

デント
もちろんそのつもりだ。この子に大丈夫だと言ってやれ、ゴードン。嘘をつくんだ。私が嘘をついたように。

ゴードンは顔を上げる。苦しげな表情。息子をひたと見つめる。

ゴードン
大丈夫だ、ジェームズ。

デントはコインをはじく!高く。デントの目がコインを追う。バットマンはデントと少年めがけて渾身の体当たり!

三人は床の端から穴に消える!グシャリという嫌な音!そして静寂デントのコインの音だけが残る。穴に落ちないぎりぎりの所で、コインはまだ回転している!

ゴードンは血相を変えて穴のそばへと走る!そして見下ろす

デントが穴の底に倒れている。首が折れている。死んでいる。

コインが回るのをやめ、倒れる。表だ!

ゴードンの息子が不意に視界に飛び込んでくる。バットマンにぶら下がっているのだ。そしてバットマンは床の下の根太に必死でしがみついている。

ゴードンは手を伸ばし、がっしりと息子を掴む。そして引き上げる!

バットマンは落ちる!木組みやパイプにぶつかり、突き破り、どこまでも落ちていく。そしてデントのすぐわきに、凄まじい音を立てて叩き付けられる。

屋外。焼け落ちた倉庫。52番街。続き。

警官たちが入り口から突入する準備をしている。

屋内。焼け落ちた倉庫。52番街。続き。

ゴードンが一散に階段を駆け下りる。バットマンのそばに駆けつける。

ジェームズ(画面外から)
パパ、バットマンは大丈夫?

ゴードンはバットマンのそばにしゃがみ込む。倒れていたバットマンは、不意にゴードンの腕を掴む!それを頼りにヨロヨロと立ち上がる。

ゴードン
ありがとう。

バットマン
感謝する必要はない。

ゴードン
いや、あるさ。

ゴードンとバットマンはデントの死体をじっと見下ろす。厳粛な表情。

ゴードン(続けて)
ジョーカーの勝ちだな。

ゴードンは、ハーヴィー・デントの焼け爛れた側を見下ろす。

ゴードン(続けて)
ハー ヴィーによる犯罪者の告発。彼の戦いのすべて、レイチェルの犠牲のすべては、無駄になった。ゴッサムが自らを正すためのチャンスは、君が与えてくれたチャ ンスはハーヴィーの名声とともに消えてしまうだろう。我々はすべてを彼に賭けた。ジョーカーはそれを利用して彼を破壊した。人々はすべての希望を失って しまうだろう。

バットマン
いや、失いはしない。
(ゴードンを見て)
ハーヴィーのしたことは、市民には知りようがない。

ゴードン
(疑いの表情で)
五人も殺したんだぞ?しかも二人は警官だ。いくらなんでも揉み消すことは

バットマン
もちろん無理だ。しかしジョーカーに勝たせるわけにはいかない。

バットマンはデントの死体にかがみ込む。

バットマン(続けて)
ゴッサムには真のヒーローが必要だ。

バットマンは、デントの頭をそっと動かして、綺麗な側だけが見えるようにする。ゴードンはデントの顔を見てからバットマンを見る。理解した表情。

ゴードン
まさか、君が?そんな無茶な

バットマン
無茶ではない。

バットマンは立ち上がる。ゴードンに向かい合う。

バットマン(続けて)
英雄として死ぬか、生き延びて悪役になるかだ。私なら警官殺しの汚名を着ることもできる。デントのようなヒーローではないからな。五人を殺したのは私だ。私ならあり得る。

ゴードン
(憤慨して)
だめだ!よせ!

バットマンはゴードンに、隠し持っていた警察用無線機を渡す。

バットマン
ゴッサムにとって必要なら、私は何にでもなる。

インサート・カット:デントの葬儀で演壇に立つゴードン。その背後に、笑顔のデントの大きな写真。

ゴードン
ヒーローです。彼のようなヒーローを持つ資格が我々にあったかどうかは分かりません。しかしそれでもなお、我々には彼が必要だったのです。まさに彼は騎士でした。輝ける鎧をまとった

ゴードン(画面外から)(続けて)
警察に追われるぞ。

バットマン(画面外から)
君が追うんだ。

インサート・カット:ゴッサム中央署の屋上で、斧を持ったゴードン。警官や記者たちの見守る中

バットマン(続けて)
君が私の罪を問い、犬に追わせる

ゴードンはサーチライトに描かれた蝙蝠の紋章に斧を打ち込む。火花を上げてくだけるサーチライト。

バットマン(画面外から)(続けて)
そうでなくてはならないんだ。

インサート・カット:アルフレッドがレイチェルからの手紙を手に、思案している。

バットマン(画面外から)(続けて)
なぜなら、時に真実はあまりにも悲しいものだからだ

インサート・カット:アルフレッドはレイチェルの手紙が入った封筒を燃やす!

バットマン(続けて)
時に、人々には真実以上のものが必要なのだ。

インサート・カット:ルシアス・フォックスがソナーシステムに自分の名前を打ち込む。

インサート・カット:フォックスは”X”のキーを押す。装置は赤い「自爆警報」を点滅させる。そして自壊する。フォックスは一人微笑む。

バットマンは急いで走り去る。陰の中に跳び込む!

ジェームズ(画面外から)
バットマン!?

ジェームズは階段を駆け下り、父のそばに来る。

ジェームズ(続けて)
バットマンはどうして逃げるの、お父さん?

ゴードンはバットマンの消えた方を見つめる。

ゴードン
父さんたちが追いかけられるようにだ。

屋外。倉庫。続き。

警官たちが駆けつける。犬たちが臭いを嗅ぎ、コンテナの間に消える影を追って入り口から奥へ駆け込んで行く

屋内。倉庫。続き。

ジェームズは父親を見ている。腑に落ちない表情。

ジェームズ
バットマンは何も悪いことをしてないのに!

ゴードンはバットマンの消えた方を見る。犬たちの声がどんどん大きく、激しくなってくる。

ジェームズ(つづけて)
どうして、お父さん?どうして?

ゴードン
それはな

屋外。ドックのそばの屋上。続き。

バットマンが貨物コンテナの間に隠れている。もつれる脚。出血。なんとかバットポッドにたどり着く

ゴードン(画面外から)
彼はゴッサムに似つかわしいヒーローなんだよでも、今はたぶん、必要ないんだ。だから父さんたちは彼を追う。バットマンはそれでも大丈夫だからね。みんなが求めているようなヒーローじゃないから。

バットポッドがゴッサムの地下街を駆け抜ける。バットマンのマントがなびく。亡霊のように

ゴードン(画面外から)(続けて)
バットマンは、ただ黙ってこの街を守る。人々を見守っている暗黒の騎士なのさ。

バットマンは地上への通路を駆け上がり、まばゆい光の中へ飛び込んでいく

Wild Flowers

暗転。

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