仮想温泉ぷろめてうす

高砂名画座 仮設上映

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3

英語原文はこちら

MCUファンの群れが映画館の客席を埋める。頓知が利いて胃にもたれない、いつものお気楽マーベル映画を期待して。

生後数週間のアライグマたち
(檻に閉じ込められて震えながら)
寒いよ…怖いよ…
(彼らの悲しげな目が画面いっぱいに広がる。そこに向かって巨大な手が迫ってくる。)

客席の幼い子供たち
(震え上がって)
これって、僕らの世代のトラウマシーンになるやつじゃん…

屋内。ノーウェア、すなわち、はるか昔に死んだ巨人族の頭部の中に建設された街。そしてガーディアンズの「ヘッド」クオーター。という高度な洒落が、分っかるかなァ、わっかんねえだろなァ。

カメラは或る日のブラッドリー・アライグマ・クーパーを追いつつ、あの大事件で重大な変化を経験した後の、主要キャラクターの現在の暮らしぶりを紹介していく。言うまでもないが、大事件とはもちろん、ホリデースペシャルのことである。見逃したあなたは、今すぐディ○ニープ○スにお布施を払って有り難く鑑賞しよう。

ブラッドレー・アライグマ・クーパー
とりあえずみんなが今どうしてるか知りたいだろ。おれは天井を安全に歩ける反重力ブーツを作ったぜ!「アライグマ」がどんなものかは未だに知らねえけどな。

メカレン・ギラン
あれから?全身のメカの改造強化だ。メカ入ってるマーベルキャラの伝統だからな。

ポム・クレメンティエフ
他人の感情をコントロールする能力の限界に挑んでた。もう誰でも洗脳できちゃうぞ!ホリデースペシャルあたりから、なんか一線越えた感じ?

ガタイが良くなったヴィン・ディーゼル
おれはグルート!

ショーン・ガン
マイケル・トサカ・ルーカーの形見の必殺フライング菜箸が、いまだにぜんぜん使えないんだ。ま、俺なんかにゃ永遠に無理かな…(目配せ)

デイヴ・バウティスタ
ダンスは馬鹿のすることだ。おれは絶対踊らんぞ!(目配せ)

クリス・プラット
(へべれけで)
で、おれは今日も今日とて…ふめらへもにょげふうう
(椅子ごと床に倒れる)

ポム・クレメンティエフ
かわいそうなクリス。ゾーイ・サルダナが殺された上、ゾーイ・サルダナ~(ティルダ)に入れ替わったのが受け入れられないのね。

デイヴ・バウティスタ
ティルダも殺されただろ。

メカレン・ギラン
ティルダ・スウィントンの話じゃなくてティルダ記号だよ、このウスラバカ!ちなみにガーディアンズの面々が記号、いや怒号でしか会話できないのは、私のせいじゃなくて監督の趣味だからな。

ショーン・ガン
それから、例のソ連の宇宙犬ことマリア・バカローヴァも再登場だ!おれはこの映画の大半、マリアをボロクソに扱って、最後の最後だけちょっと優しくするけど、これもやっぱり監督がそういう関係しか描けないからだ。

マリア・犬・バカローヴァ
つまり安定のジェームズ・ガン作品ということですね。戻ってこられて嬉しいです。大活躍できるといいな。

酔いつぶれたクリスを全員で寝かしつけた後、ブラッドレーがプレイリストの二曲目をかけた途端に、「アカデミー賞トロフィー星人」のウィル・ポールターが金粉ショー状態で襲来する!

ウィル・金粉・ポールター
最優秀主演女優賞のトロフィーみたいなママが、お使いに行けってさ。ブラッドレー、お前を捕まえに来たぞ!(殺人光線を放ちながら急降下してくる)

メカレン・ギラン
ちっ!ここは一人ずつ、順番を守って応戦するぞ。

ウィルは順番に立ち向かってくるガーディアンズの面々を一人ずつ丁寧に折り畳み、それを使って床を雑巾がけするが、とうとうメカレンが奥義「社長スペシャル」を発動、背後からウィルの胸板を貫き一時戦闘不能に陥れる。しかしウィルは隙を見て飛び去り、後には瀕死の重傷を負ったブラッドレーが残された。

ポム・クレメンティエフ
大変、ブラッドレーがウィルの殺人光線をまともに喰らったわ!ほとんど骨だけになって、焼け残った肉がジュージュー言ってる。

デイヴ・バウティスタ
それは後で出てくる端役の話だろ。たしかにブラッドレーは死にかけてるが、CG班も過労で死にそうだから、見た目は大体そのままで行くみたいだな。

メカレン・ギラン
(診察台に寝かされたブラッドレーをスキャンして)体内にキルスイッチが埋め込まれていて、まず解除しないと医療テクノロジーが使えない。あと、データを解析したら10年ぐらい前に奴が投稿したツイートが出てきたんだが、今見ると完全にアウトな内容だ。こうなったらもう、なるべく楽に死なせてやるぐらいしか…

クリス・プラット
(台本に誰かが急いで書き足した台詞をチラ見しながら) 待て待て、えーと、過去に不適切なツイートをしたからって簡単に人を見捨てるのは良くないなあ!誰にでも、やり直すチャンスを与えるべきだ。特に名前が武器っぽい感じの奴とかには!

メカレン・ギラン
キルスイッチを作ったのはオルゴテックらしい。仲間の命を救うにはパスコードを手に入れてキルスイッチを解除しないと。

クリス・プラット
(うなずいて) じゃあオルゴテックに行って、パスコードを手に入れて、仲間の命を救うぞ。ブラッドレーの命はあと48時間だから、すぐ行こう。おれの宇宙マスクやロケットブーツとか、メカレンのロボウィングみたいな、あとで絶対役に立ちそうなアイテムを取りに行ってる暇は一秒もないな!

ポム・クレメンティエフ
その通りよ。すぐにオルゴテックに行ってパスコードを手に入れて仲間を助けなきゃ。

デイヴ・バウティスタ
待て、後ろの方の席でちゃんと聞いてなかった観客がいるぞ。おれたちはオルゴテックに行ってパスコードを手に入れて仲間の命を救うんだ!

屋内。ロケットの子供時代の回想。ベイビーヨーダよりJ. K. シモンズの『セッション』に近い話だから閲覧注意。

幼いロケットが、ハイ・エヴォリューショナリーことチュクウディ・イウジの膝の上で複雑な数式を解いている。

チュクウディ・イウジ
いいぞ、超知能を持った脳を作り出す計画は、いよいよ成功が近いな。ふはははは。その一方で、可愛い動物にスチームパンクみたいな機械の手脚を取り付ける計画の方も着々と……進んでるのか?我ながら一体何がしたいのか分からんな。

ベイビー・アライグマ・クーパー
メカ脚の動物は、みんな僕の友達だよ!いっしょに追いかけっこをしたり、自分たちにアホかわいい名前をつけたり、新しい世界にみんなで飛んでいく話をしたりするんだよ。そこには永久機関や魔法のアイスクリームがあって、ツイッターだってちゃんとしてるんだ!(うっとりとため息をつく)

チュクウディ・イウジ
夢があるねえ。お前と仲間たちは、いや、サンプル集団89は、もう少し生かしといてやろう。すぐ処分するのも勿体ないからな。今のうちに、サンプル集団1から88がみんなどこに行ったのか、じっくり考えてみるといい。

屋外。オルゴテック本社、現在。 ガーディアンズの宇宙船は三重のシールドを容易く突破する。MCU世界でSHIELDと呼ばれるものは、おおむね役に立たない。

メカレン・ギラン
シールドを抜けたから、ゾーイ・サルダナ(激辛版)とスタローンとラヴェジャーその他大勢と合流するぞ。その他大勢の中にテレポート・ポータルを作れる奴がいて超便利なんだけど、何故そいつを連絡員にしなかったのかは永遠の謎だな。

クリス・プラット
そもそもなんでシールドの内側に合流ポイントがある?銀行強盗一味が、まず銀行に押し入ってから作戦会議をするようなもんだぞ。

シルベスター・スタローン
まだまだ青いな小僧。あの『大脱出』シリーズに全部出てる俺が言うんだから間違いはねえ。いいか野郎ども、おれたちはガーディアンズが仲間を救うためにパスコードを手に入れる手助けをしてるんだ。パスコード!仲間!よーし俺の出番終わり。じゃあまた後でな。(消える)

ゾーイ・サルダナ
分かってると思うけど、アタイは金のために手伝ってるだけだからな。こっちのアタイはピニャ・コラーダの歌とか聞いたことないし、金と暴力しか信じねえ! (授業をフケる) (トイレで煙草を吸う)

一行は南部の州知事あたりが激怒しそうなレインボーカラーの宇宙服を着て、オルゴテックまでのんびり宇宙散歩をした後、バイオでブヨブヨな側壁に穴を空けて侵入するが、青塗りのバウティスタが穴につっかえた途端に警報が鳴り響く。だからポータル能力者を連れてくればよかったんだよ!

警備隊長ネイサン・フィリオン
動くな!この映画の私は、たった一つのネタをしつこく繰り返すだけだぞ。すなわち…私は私の部下が嫌いだ。むっっっっちゃくちゃ嫌いだ!……やっぱり Wonder Man の役にしときゃよかった。

クリスの一行は口八丁でその場を切り抜け、計画を実行する。

デイヴ・青塗り・バウティスタ
ポムとおれは宇宙船発着ポートを探しに行く。そんなの外から見たときに探しとけって気もするが。

ポム・クレメンティエフ
途中で私が1980年代みたいな「ゲイに好かれちゃって大ピンチ」ギャグを入れるから、レインボー宇宙服で怒ったお客さんも機嫌を直してね♡

クリス・プラット
完璧だ。じゃあ残ったおれたちはパスコードを手に入れて仲間を救うぞ。

クリスたちはぼんやり光る球状のファイルをラットキャッチャー2から入手するが、実はウィル・金粉・コールターの失敗を知ったチュクウディは、一足先にガーディアンズを指名手配していたのだった。最初からそうすればよかったのに。

ネイサン・フィリオン
さっきは豆鉄砲しか見せなかったけど、実はでかい銃もあるぞ。こいつで青塗りのバウティスタを撃って、謎の黄色い汁にブチ込むとするか。もはや現代の古典となった名作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)を彷彿とさせてやる。

メカレン・ギラン
まずい、一方こちらは十字砲火を浴びてコントロール・ルームに追い詰められた!そう、まるで予想外の大ヒットとなった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のファンならニヤリとする感じで!

クリス・プラット
心配ない、おれが重力システムをハックして警備兵を全員ふわふわ浮かせてやる!批評家にも観客にも愛されたスマッシュヒット『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)さながらに!

一行は脱出に成功し、警備兵から受けた致命傷をあっさり宇宙医療テクノロジーで治療して、この世界における「瀕死の重傷」という概念を危うくする。「でも今回ガン監督はディズニーに全権委任されてんだから、やっぱり人気キャラクターが死んじゃったりする展開もアリなんだよね?ね?」

屋内。ガーディアンズの宇宙船

メカレン・ギラン
(データをスキャンして) 糞ッ、チュクウディの手下が、ファイルからパスコードだけ抜きやがった!つまりオルゴテックのドタバタは全く意味がなかったわけだ。あいつら許せん!

ゾーイ・サルダナ
さーて、約束の仕事はしたから、アタイは帰るよ!誰かラヴェジャーのとこまで乗せてってくれ。

クリス・プラット
待てよ、おれたちはパスコードを手に入れて…

ゾーイ・サルダナ
仲間を助けるって?なんべん同じ事言ってんだよ。「おれはグルート」の二番煎じか?同じ事百万遍言ってても実は毎回意味が違うとか言いたいのか?

クリス・プラット
なんでそんなに意地悪なんだよ?君が俺達のこと全然覚えてないってだけで辛いんだぞ。惚れた女とそっくりなのに、まったくの別人なんて…

ゾーイ・サルダナ
双子だって思えばいいだろ。

クリス・プラット
(きょとんとして) あ、なるほど、そう思えばいいのか。ありがとう!よし、じゃあ次はどこに行こう?

ポム・クレモンティエフ
(自分の尻に手を突っ込んで) チュクウディの座標が分かった。行くよ!

ゾーイ・サルダナ
うげ。まあ、勝手にしろ。 (通信機に向かって) ラヴェジャー全構成員に連絡。このシグナルを追跡して、アタイを拾ってくれ…なんて言ってたら、よりによってヤバい敵に捕まってる最中のラヴェジャーの通信機に繋がっちゃったりして。いくらアタイだってまさかそこまで運が悪くないか。

ヤバい敵、またはアカデミー主演女優賞のトロフィー
(通信機に向かって) え…えーと、そうね、さすがにそれはないよねー、はははは…ぐわははははは!(悪役笑い)

ゾーイ・サルダナ
うわ最悪。せめて声色ぐらい使ったらどうよ。しかしまずいな、ここは急いで…(とりあえず昼寝)

屋内。ベイビー・クーパーの回想 ヘンリー・パーセルの「ディドの嘆き」が流れる中、チュクウディがベイビー・クーパーに最新の実験を見せる。

チュクウディ・イウジ
我々は様々な動物を捕獲しては数分で数千年分の進化をさせ、全身の骨がメリメリ変形するのを観察しているわけだが、そうやって進化させられた個体は必ず凶暴になる。なぜだろう?

ベイビー・クーパー
簡単だよ。実験体にチューブでレッドブルを注入する代わりに「お〜いお茶」とかにしてみたら?

チュクウディ・イウジ
なんと!問題が解決したぞ。しかし、なぜ分かった?これまで最高の頭脳を集めてできなかったことを、なぜお前が?よし、じゃあ他のサンプルは要らんな。こいつの脳だけ残して、あとは焼却しろ。

マリアム・悪の手下・ショー
この実験体だけが特殊な能力を得たのは、仲間がいたせいかもしれません。超進化の理想世界を作る役に立つとしたら、サンプル集団89を生かしておいても問題ないと思いますが…

チュクウディ・イウジ
私はわざわざイギリス訛りの英語で喋ってる宇宙人だぞ。つまり、悪のためなら手段を選ばなあああい!

屋外。カウンター・アース。ガーディアンズは、地球そっくりの惑星を発見する。ただしそこはケモナーに支配されている。絶妙の操縦により、8万トンの宇宙船を郊外住宅地の真ん中に着地させるが、何故か家は一軒も壊れない。

クリス・プラット
各種ケモナーの諸君!我々はパスコードを手に入れて仲間を救うためにやってきた!あとちょっとだけカルチャーギャップコメディもやらせてくれ!

クリス・プラット
我々は頭にコンピュータを埋め込んだ男を探している。ハイテクビルで高度なテクノロジーを扱う仕事をしているはずだ。奴はどこにいるだろう?

コウモリ族の女
いきなり難しいこと訊くわねえ。でもひょっとすると、あそこにドカンと建っている30階建ての巨大な未来っぽい構造物にちょっと関係があったりするかも。わざわざ住宅地に着陸して子供の顔にボールぶつけたりしてる暇があったら、真っ先にあそこに行くのが普通じゃない?

クリス・プラット
惑星の座標しか知らないのに研究所の近所まで来られたのを褒めてくれよ。よし、ヴィンとメカレンとおれは研究所に行く。俺達の宇宙船は三体の小型宇宙船に分離できるできるスグレモノだけど、それは完全に無視して、この家族のポンコツ自家用車を借りていくぞ。

屋内。ベイビー・ブラッドレーの回想。そして遂に、散々予告されていた悲劇が起こる。

ブラッドレーは仲間たちに悪い報せを伝えながら、今までちょろまかしてきたガラクタを組み合わせて小型のアークリアクター、もといロック解除装置を作る。

リンダ・かわうそ・カーデリーニ
いよいよね!大きな人間型生物が誰にも気づかれずに忍び寄ってきたりしない限り、私達はみんなで空へ (死ぬ)

チュクウディ・イウジ
(やけにどうでもいいデザインの銃を手に) 守衛たち、奴らを捕まえろ!ベイビー・アライグマ・クーパー、檻に戻るんだ。

ベイビー・アライグマ・クーパー
窮鼠猫を噛む!!
(チュクウディの顔面をササラモサラにする)
(奪った銃で守衛たちを射殺)

しかし銃撃戦のあとで背後を振り返った彼の目に、なにか黒っぽいぼんやりした塊が映る。どうやら残りの仲間たちは流れ弾に当たって死んだようだ。ベイビー・アライグマ・クーパーは悲しみのあまり駆け出し、彼のオリジンストーリーはここで終わる。(数年後、スクラブルの大会に出場した彼はヴィン・ディーゼルに初めて出会う。ヴィンは毎ターン GROOT という単語しか作らず、それでも全部意味が違うのだと言い張るが、それはまた別のお話。)

屋内。チュクウディの本拠地 クリスとヴィンはチュクウディの前に引き出される。その前のシーンで門番たちはメカレンのむき出しの武器をスキャナーで見つけて取り上げるが、ヴィンが体内にごっそり隠している大量の武器は見過ごしてしまう。

ヴィン・ディーゼル
撃っていい?

クリス・プラット
もちろん。まだ結構尺が残ってるから、正義の味方のふりはしなくていいぞ。全員ぶち殺せ!

ヴィンは爆弾を炸裂させ、大量の銃を取り出してクリスと二人で大虐殺を開始する。チュクウディは重力操作能力を使って瓦礫を吹き飛ばすが、クリスとヴィンは体当たりで大窓を破りビルの外に飛び出す!

クリス・プラット
(ヴィンに抱えられて落下しながら) まだまだ残虐行為OKの時間だから、飛び降りざまに奴の手下をさらってきたぞ!さあヴィン、背中からちょい小さめの翼を生やして、着地の瞬間にこいつの頭を地面に叩きつけてカチ割りつつ、おれたちはなんとか無事、みたいな感じにするんだ。
(カチ割る)
そういや仲間を助けるための大事なパスワードはこいつの頭のコンピュータに入ってるんだっけ。壊れてなきゃいいが。

屋内。ガーディアンズの宇宙船

プラットとヴィンがゾーイと合流し、遂にパスコードを使って仲間を救う。

ブラッドレー・アライグマ・クーパー
(すっかり回復して) やれやれ、回想シーンのネタも尽きたし、どうやって間をもたせようかと思ってたとこだ。タイミングはばっちりだ!

メカレン・ギラン
(通信機に) 奴が助かってよかったな!デイヴとポムと私はまだチュクウディに捕まってるから、引き換えにクーパーをよこせって云われそうだが。あと奴はカウンター・アースの連中を皆殺しにして実験をリセットする気だから、そっちも気になるな。

クリス・プラット
ええい、また仲間を助けに行く展開か。今度もパスコードが要るんだっけ?

ゾーイ・サルダナ
露骨に手伝わされる雰囲気になってるけど、今回アタイは毎度とりあえずゴネることにしたからな!だってまだ Mister Blue Sky も聴いてないし!

屋内。チュクウディの本拠地。今は軌道上からカウンター・アースを見下ろしている。

お約束の宇宙戦闘シーンのために、チュクウディの基地はロケットで地上から飛び立ち、巨大な宇宙船に変化している。ガーディアンズの新しい船が三機に分離して編隊を組むところも、これでやっと見せられるというものだ。

チュクウディ・イウジ
うわはははは、奴らのチャチな玩具など、我が巨大宇宙船で踏み潰してくれるわ。

ミリアム・ショー
(周辺空域をスキャンして) どうやらノーウェアもわざわざ宇宙船に変形したようです。変なところから主砲を生やして本艦の船体をぶち抜きました。

チュクウディ・イウジ
まずいな。出張金粉ショーを呼べ。

ミリアム・ショー
先程母親が惑星もろとも爆発してしまったので、彼はむずかっているようです。さらにクリス・プラットが彼を爆発させたので、復活までおねむのようです。

チュクウディ・イウジ
全く使えない奴め。じゃあ人質を巨大怪獣に食わせようか?

ミリアム・ショー
人質は生かしておかないと意味がありません。あとポムが怪獣を手なづけて脱出してしまったので、バカに戦車を与えたようなものですね。

チュクウディ・イウジ
糞。よし、じゃあ我々全員が目にネジ回しを突き刺してみるか?

ミリアム・ショー
つきあいきれません。はーい、叛乱に参加したい人、手を挙げて!ララ?ボブ?どう、私と一緒に殺らない?

チュクウディ・イウジ
もう勘弁ならん。私のブチ切れパワーを喰らえ! (全身から謎の衝撃波を発して、艦橋のクルーを全員消滅させる) はースッキリした。しかし味方に使うには勿体ないパワーだったな。もう一回出せるんだろうか。

艦内の他の場所で、ガーディアンズは遂に再集結する!

ポム・クレモンティエフ
クリス、この船には大勢の子供が囚われてるの。変なメカ脚とかモフモフの尻尾とかは生えてないけど、やっぱり助けなきゃ。

ブラッドレー・アライグマ・クーパー
よし、もう逃げるのはやめだ。よく考えたらおれ、ちっちゃい時に奴を一度ギタギタにしてんだから、今なら楽勝かも。

彼らは伝統に則り英雄的横並びスローモーションで最寄りのドアまで悠然と足を運ぶ。ドアが開くと、警備兵と、遺伝子超いじられ系の不気味なクリーチャーがぎっしり詰まった廊下が現れる。

クリス・プラット
よし、まだまだ殺るぞ!遺伝子操作で出来た殺人兵器みたいな連中ばっかりだから、心置きなく皆殺しだ。

ゾーイ・サルダナ
でもこの映画って、グロゲチョな奴らでも見た目で判断しちゃいけないというのが最大の…

クリス・プラット
いいから早く殺るの!殺陣もCGもアイディアが渋滞してるんだから急いで。バティスタ・ボムだけは入ってないのが謎だけどな。

こうしてガーディアンズが大殺戮に勤しんでいるころ、ノーウェア市街は超ワルい感じの怪物の群れに襲われている。

ショーン・ガン
畜生、例の殺人箸さえ使えたらなあ!マイケル・トサカ・ルーカーが使い方のコツを誰かに伝えといてくれさえすれば、この8年の間に絶対俺まで伝わってたのに!

マイケル・トサカ・ルーカーの幻影
どうしても顔を出せってクリスがうるさいから、しぶしぶ来てやったぞ。ハートを使うんだよ、小僧!

ショーンは遂に殺人編み棒をアンロックし、群がる怪物たちを次々に貫いてゆくが、最後のボスキャラが襲ってきたところで、編み棒は岩に突き刺さったまま動かなくなる。

ショーン・ガン
いよいよ絶体絶命か。じゃあここでマリアに優しい言葉の一つも掛けるかな。

マリア・犬・バカローヴァ
ありがとう。じゃあ念動力で怪物をグチャッとやりまーす。
(グチャッとやる)
続いて、巨大宇宙船の間に念動力で橋を掛けまーす。
(掛ける)
ほら、大活躍したでしょ?

ガーディアンズは子供たちを安全な場所に導くが、ひとり動物棟に迷い込んだブラッドレーは、かつて沢山の幼いアライグマと一緒に自分が入れられていたケージを見つけ、何年も前に作った解除キーで扉を開けることに成功する。

ブラッドレー・アライグマ・クーパー
これは映画の最初のシーンで俺たちが入れられていたケージじゃないか。でも今の俺なら仲間を救い出して物語の環を閉じることができる。

チュクウディ・イウジ
(どこからか現れ) お前と一緒にいた連中は皆とっくに死んでるから、同じぐらいのアライグマの仔を集めるのが大変だったよ。それはともかく、私の重力波を喰らえ!どうだ、手も足も出ないだろう。

ブラッドレー・アライグマ・クーパー
こんなこともあろうかと、都合の悪い重力だけキャンセルできるブーツを作っといてよかったぜ!
(巨大な銃を抜き放ち、見栄を切りながら)
俺の名前はロケット。アライグマのロケットだ。
(間)
この台詞が三部作のクライマックスになると10年前に分かってたやつは絶対頭がおかしいから病院行ったほうがいいぞ。

ブラッドレーがチュクウディを撃つと、残りのガーディアンズが全員現れ、重力パワーが無効化されて単なる性格の悪いオッサンになったチュクウディを容赦なく粉砕する。

ゾーイ・サルダナ
最初からこうしてりゃ良かったのよ。

デイヴ・バウティスタ
よし、こいつの頭に一発撃ち込んで、とっとと帰るぞ。

ブラッドレー・アライグマ・クーパー
(突如高潔なアライグマになり)
いや…俺はこいつを殺さない。なぜなら俺は…があでぃあんだから!こういう台詞はもっと早く言っときたかったが。

メカレン・ギラン ここに放っとけば、どうせ船が爆発して死ぬと思うけど。

クリス・プラット どうでもいいや。早く行こうぜ。

ガーディアンズは動物たちをすべて救出するが、最後の最後でプラットは ZUNE を落としたのに気付いて引き返す。マリア・宇宙犬・バカローヴァは念動力をすでに使い果たしているので、プラットは爆発する宇宙船からノーウェアに向かって必死に跳躍するが、飛んできた残骸にぶつかり宇宙空間に取り残される。

クリス・プラット
(凍りついていく)

ポム・クレモンティエフ
大変!でもまだ大丈夫、あの程度なら前にも…

クリス・プラット
(頬のあたりが巨大な風船のように膨らむ)
(内臓が凍りつき、ピキピキと音を立てて崩れ始める)

デイヴ・バウティスタ
最後だと思って、監督もトロマ魂全開だな…

クリス・プラット
(眼球がブドウのように飛び出す)
(肺が口から溢れてくる)

ウィル・金粉・コールター
いけね、うっかり寝過ごして子供も動物も助けそびれたけど、幸い時代遅れの電化製品惜しさに逃げ遅れたトンマが残ってるな。

ウィルが宇宙空間を飛び、クリスをノーウェアに送り届けると、人類とは思えない勢いで自己修復して息を吹き返す!はい、ネットのあっちこっちで「重要キャラが死ぬ」みたいな予想をしてた皆さん、残念でしたーー!

ガーディアンズはいつものバーに集まり物語を締めくくる。

クリス・プラット
今更だけど、地球に帰ってグレッグ・ヘンリーの爺ちゃんに会おうと思うんだ。そろそろ向こう岸に渡っちゃいそうだし。

ポム・クレモンティエフ
私も旅に出ようと思う。自分の脚で歩くために、一人で行くよ。
(間)
まあ例の三匹の怪物を連れて行くけどね、宇宙は物騒だから。

メカレン・ギラン
私はいなくなるわけじゃないけど、ノーウェアの市長になることにしたんだ。土建屋から袖の下をもらったりするのに忙しくなるから、フルタイムでガーディアンは無理かな。

デイヴ・青塗り・バウティスタ
亡き妻と娘の思い出のために、助けた子供たちの父親になる。せいぜい三百人ぐらいだから、とりあえず誕生日のリストでも作るか。

ゾーイ・サルダナ
あんたたちと暴れるのは楽しかったけど、やっぱりラヴェジャーのところに帰るよ。

ヴィン・ディーゼル
客席のみんなも、やっと俺の言ってることが分かるようになったかい?なに、「おれはグルート」以外の台詞を言うと、ドムが喋ってるようにしか聞こえない?じゃあお前らもこれからファミリーだ。

ブラッドレー・アライグマ・クーパー
一つの時代の終わりだな。残り物をかき集めて新しいチームを作るとするか。

ハワード・ザ・ダック
(手を振っている)

ブラッドレー・アライグマ・クーパー
どんな奴でも受け入れるのが俺達だが、それにも限度があるんだよ。

The End…?

屋内。ミッドクレジット。

ブラッドレー、さらに巨大化したヴィン、宇宙犬マリア、トサカショーン、そして一番訳の分からない言葉を喋っていた子供が、新たなガーディアンズを結成する!

ブラッドレー・アライグマ・クーパー
仲間はみんな先へ進んだのに、おれだけ居残りでガーディアンズの続編か…
(新しいメンバーを見渡し)
ま、意外となんとかなるかもな。

屋外。グレッグ・ヘンリーの家。

過去最長のガーディアンズ映画の最後まで座っていたファンに、待望のお知らせ。「クリス・プラットの次回作にご期待ください!」

グレッグ・ヘンリー
お前一人だけ戻ってくるの?よりによって一番伸び代のないキャラクターを呼び戻してどうするんだ?例の、頭がニンジンの奴とかのほうが、まだマシじゃないか?

クリス・プラット
(シリアルを食べながら) フフフ甘いな爺ちゃん。『nintendogs』映画版でおれがジャック・ラッセル・テリアの役を演るのを見てから言ってくれよ。